こんにちは、ねこじまです。
軍艦島、足尾銅山、奥多摩ロープウェイ…。
古今東西、その非日常性と美しさから密かに注目を集めている廃墟。
どんなところが魅力なの?
違法性はあるの?
今回は「日本の廃墟」に着目して、疑問に一つずつ答えていくよ!
解説:廃墟とはそもそも何か?種類は?
建物・城郭・市街などのあれはてた跡。「―と化す」
引用:広辞苑
廃墟の定義と種類は?
廃墟とは、適切な維持管理が行われないまま放置された、建造物や施設の総称です。
例えるなら、かの有名な軍艦島。人がいなくなり、三菱鉱業(現三菱マテリアル)が数十年放置した結果、完全に荒れ果ててしまった立派な廃墟といえます。
また、化女沼レジャーランドなど営業が廃止されてしまった施設も、廃墟の一つといえますね。
そんな廃墟にも、様々な種類があります。
これらを総称して「廃墟」と呼ぶよ!
廃墟と遺跡の違いとは?
こんな質問をいただくことがあります。
まず、前提として廃墟とは「適切な維持管理が行われないまま放置された、建造物や施設」です。
したがって、実際に長年使用されていなかったりしても、適切な維持管理が行われていれば「廃墟」とは必ずしも言えないのです。
具体的に言えば、歴史的・文化的な価値のある「遺跡」は観光資源として定期的に補修・保全されており、適切な維持管理が行われているため厳密には廃墟とは言えません。
直感的にマチュピチュや日本の古墳は「遺跡」、軍艦島やチェルノブイリは「廃墟」と思える方も多いのではないでしょうか。
文学的な言い方をすると、「忘れられないように残したもの」は遺跡、「忘れられた結果残ってしまったもの」は廃墟といえるね。ただこれにも諸説あって、議論が分かれるところだよ。
廃墟はどのようにして生まれるのか?
そんな廃墟ですが、当然元から廃墟として生まれてくるわけではありません。
場合によっては時間を少し遡れば、人に愛され、賑わい、一時は必要とされていた建物・施設だったりもするわけです。
そんな建物たちは、どうして廃墟になってしまうのでしょうか?理由は大きく分けて4つあります。
あまり知られていないことですが、建造物を建てるのはもちろんのこと、解体作業にも大きなお金と労力がかかります。
その経済的負担から逃れるため、管理者が失踪してしまうことは多々あるようです。
また、上記の通り跡地利用が難しく、維持管理も困難な場合はそのまま放置されることが多いです。
土地の狭い首都圏では廃墟が少なくて、北海道みたいに土地の広いエリアでは廃墟が多いんだよ!
廃墟の魅力とは?
廃墟の魅力ですが、個々人によってその見方は様々なようです。
「放棄された場所では、人間の直接的な目的から解放されると、今までよりも自由な行動や自由な精神の再構築が許容される。廃墟と同じように、様々な魅力がある。管理から解放され、行動や空想を求める自由な戯れや、様々な豊かな感動がある」ケヴィン・リンチ『廃棄の文化誌』
— S/K STUDIO (@dessinatrice001) 2020年1月18日
そこに人が暮らしていた痕跡が訪れた人の郷愁をかきたてるのが廃墟の魅力。戻れない過去を思い出させるのが心惹かれる理由。 https://t.co/03RapSAWHt
— 岡部 正俊 (@massaokka) 2020年1月20日
恐怖とノスタルジー
朽ちゆくモノの先に見える美しさ
ラブホの廃墟なんて
エロスと欲望が満ちる高崎にあったカッパピアなんて
心霊スポットの云われも何も無い
のに心霊スポットにされたり😅
(確かに観音様への登り口は薄暗いし気持ち悪いけどね)
廃墟に残る様々なヒト達の思い
それも廃墟の魅力— キソっち(ted)オ・ジィズィΦ←tedに似てると言われるヒト。 (@kissozzchi) 2020年1月17日
あえてカテゴリー化するのであれば、廃墟の魅力は下記3つにまとめられると思います。
①非日常性
・日常には存在しない「崩壊」「老朽化」という空間を体験できる
②物語性(ストーリー性)
・かつてその空間で生活をしていた人たちの記憶を楽しめる
③タブー性
・密かに法を破ることに対する自由や、危険を冒すスリルを味わえる
ねこじまの場合は、非日常性ももちろんのこと、「なぜ忘れられてしまったのか」という方に興味があるよ!必ずストーリーがあるんだよね。
廃墟にはどんな人が集まるのか?
そんな日常から隔離された廃墟ですが、実は様々な人のハブスポットと化しています。
①廃墟マニア
廃墟写真家、廃墟オタ、廃墟マニア。
名称は様々ですが、いわゆる廃墟探索自体を目的とした方を指します。
廃墟マニアは90年代を筆頭にインターネットでコミュニティを作り始め、現在もブーム自体は終わりましたが多くのマニアが廃墟を求めて探索を続けています。
②心霊スポットマニア
心霊スポットマニアもたびたび訪れます。
心霊スポットマニアは、「廃墟という空間」ではなく、廃墟で体験できるであろう恐怖体験を目的としています。
いわくつきの物件や樹海なども含めて探索をするため、廃墟は探索対象の一つに過ぎないといえますね。
③コスプレイヤー
コスプレイヤーもいます。
コスプレイヤーとはアニメやゲームに存在する架空の人物に扮して、衣装や装飾をまとう方を指します。
基本的にゲーム等に登場する舞台はおおよそ日本の日常とはかけ離れた世界観で表現されているため、こうした廃墟スポットで撮影をすることで非日常性を追求しています。
また、心霊スポットマニア同様にコスプレイヤーにとって廃墟はコスプレのクオリティを高める手段に過ぎないため、廃墟をテーマとしたスタジオ等でも撮影を行うなど、行動範囲は比較的広いと言えるでしょう。
④ホームレス(浮浪者)
監視もゆるく、世間から隔離されているため、ホームレスの方がいることも多いです。
彼らからすれば人里離れた場所で、雨風をしのげてプライバシーを保てる場所で生活ができるので、廃墟は好条件な拠点になります。
なお、警察から逃れるために潜伏している逃走者も中にはいるため、鉢合わせしてしまった際にはかなり注意が必要です。
⑤ヤクザ・薬の密売人
人の目が届かないという意味では、ヤクザや薬の密売人にとっても好条件です。
廃墟はヤクザ同士の取引や、密売人の拠点としての機能も果たしています。
また、廃墟を管理している会社自体が暴力団員と関係を結んでいる可能性もあるため、気を付けましょう。
実際、廃墟はとても危険だよ。まずは管理者に許可を取るようにしよう!それでも行きたい場合は自己責任の上、情報収集を徹底しよう!
その他、廃墟の豆知識:安全性は?法律は?
さて、廃墟についての大まかな概要を説明してきました。
その他、気になる質問を下記にまとめます。
廃墟の安全性
長袖長ズボンは絶対。さらにはマスクをしたり、固めのブーツを履いてくるなど、最低限の準備をしよう!単独行動は絶対にやめよう。
廃墟の違法性
結論としては、許可なく廃墟に入り込むことは違法です。
主に管理物件に立ち入ってしまった場合は住居侵入罪・建造物侵入罪に、管理者不明であっても軽犯罪法に触れることになります。
なお、必ずしも逮捕・書類送検に至るかどうかはグレーゾーンなようで、実際はケースバイケースなことが多いようです。
詳しくは下記の記事で説明しているよ!
合法的に行ける日本の廃墟
答えはYESです。
数こそは多くありませんが、下記ねこじま的におすすめな合法廃墟になります。
・軍艦島(長崎県)
・池島(長崎県)
・友ヶ島(和歌山県)
・尾去沢鉱山(秋田県)
・北沢浮遊選鉱場跡(新潟県)
・足尾銅山跡(栃木県)
・旧太子駅(群馬県)
近代化産業遺産という言葉のほうがしっくり来るかもね。
日本の廃墟の定義や魅力:まとめ
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いかがでしたでしょうか。下記、本記事のまとめになります。
廃墟の魅力は、非日常性・物語性・タブー性にある
許可なしの廃墟探索は違法だが、合法的に行ける廃墟も存在する
これで廃墟初心者も卒業だね!
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