こんにちは、猫島です。
廃墟、イイですよね。
朽ちていく姿、崩壊の美。
とにかくあふれ出る非日常感。
日本で有名な廃墟といえば…
軍艦島(端島炭鉱)ですね。
本記事では軍艦島の歴史について紹介します!
なんで「軍艦島」なの? 炭鉱町、端島(はしま)の歴史
長崎県長崎市に位置する離島「端島(はしま)」。
横から見ると「軍艦っぽくね?」ということで、軍艦島と呼ばれるようになりました。
炭鉱として栄えた端島の起源は1810年にまで遡り、エネルギー革命が起きる1970年代の閉山まで日本の近代化を支え続けます。
住民のほとんどは三菱マテリアルの炭鉱夫とその家族!
東京ドーム5個分の敷地面積に、5000人以上の島民。
当時の東京の人口密度の9倍を超えていたといわれています((((;゚Д゚))))ガクブル
そして2001年には、三菱マテリアルが高島町(現長崎市)に島を無償譲渡。
2015年には産業革命への貢献が評価され、ついに世界遺産へ登録されます!
なんで廃墟になったの?
長らく雨風にさらされたコンクリートむき出しのマンション群。その異様な景観に惹かれて、今もなお全国から廃墟ファンが訪れています #metoo
で、そもそも「廃墟とは?」って話ですが、
廃墟(はいきょ、廃虚とも、英語:Ruins、ドイツ語:Ruine)とは、建物や施設、鉄道、集落などが使われないまま放置され、荒れ果てた状態になっているものを指す。
(Wikipedia参照)
ってまぁそりゃ当たり前だろという話ですよね。
でも、猫島が思うに、「マチュピチュは廃墟なのか?」とか「日本の古墳は廃墟なのか?」というと、そうではないと思うのです(どちらかというと遺跡ですね)。
世界中の有名な廃墟といえば、チェルノブイリ原子力発電所、アルカトラズ収容所、などなど。それらは”遺跡”ではありません。
つまり、俗にいう”廃墟”とは、近代以降に作られた建造物のことを指します。
・使われないまま放置され
・荒れ果てた状態のまま残っている
・近代以降に設立された
・建造物/施設/集落のことを指す!
そこで、「なんで壊さずに残してるの?」と思ったあなた。
廃墟マニアの才能ありです( ̄▽ ̄)ニヤリ
基本的に、解体作業は建築作業と同等、あるいはそれ以上にお金がかかります。
どうせなら、採算が取れるように何か新しく建て直したいですよね。
ですが、軍艦島を「わざわざ壊したところでメリットがあるか?」と考えると、
炭鉱以外に使用用途のない離島に、お金をかけて既存の建物を壊してまで設置したいものなんて
当時の高島町にはなかったのです。
しかも三菱マテリアルから高島町に「無償譲渡」されたところを見ると、高島町的には
“いや、せめて壊してからくれよ”
って感じですよね(だから無償なのかも?)
・エネルギー革命により石炭の需要がなくなったので住民(職員)がいなくなった
・でも残ったもの壊すのにお金がめちゃくちゃかかるから放置した
ぶっちゃけ何がすごいの?
じゃーん
軍艦島はスゴいんです。
日本初の鉄筋コンクリート建造物
出展:[高橋昌嗣氏撮影]大和書房刊「軍艦島30号棟 夢幻泡影」より
まず、日本初の鉄筋コンクリートの建造物が軍艦島で建てられました!
写真は30号棟という、中心が吹き抜けになった7階建てのアパートです。
昔は、廊下で子どもたちが走り回って遊んでいたらしいですね。
本来であればいつ壊れてもおかしくないほどの損壊具合なのですが、
ほぼ手入れのない状態で設立から約100年以上も立ち続けているのは感動です!
というかそもそも、
「鉄筋コンクリートの建築で島を覆っちまおうぜ!♡」
という発想が猫島的には最高にラブアンドピースなのですが、
単純に台風と高波で建物が崩れないように頑丈にする必要があったみたいです。
(昔は木造建築物もあったのですが、全て吹き飛ばされました)
当時の島民は三菱勤務の高給取り
出典:軍艦島デジタルミュージアム(軍艦島のアパートの暮らし)
通常であれば給料も安く、死亡率の高い職業の代表例とされる炭鉱夫。
でも軍艦島は違います。
閉山前の1970年代、職員の給料は月収20万円。
当時の新卒社員の給料が平均5万円の時代だったので、単純計算で4倍。
軍艦島の炭鉱夫は、みんな高給取りだったのです(しかも住居費はすべて会社が負担)。
しかも、当時「三種の神器」と言われた「テレビ・洗濯機・冷蔵庫」の普及率は、
全国平均が約10%の中、軍艦島では既に100%。
なかなか良い暮らししてますね〜
ただし、死と隣り合わせであることに違いはありません。
落盤やガス爆発による死者は、毎月4−5人を軽く超えていたとのこと。
長崎の孤島で炭鉱夫として働いてもらうには、むしろ少ないくらいのお給料だったのかもしれませんね。
近年の課題
軍艦島は、主に「崩壊の危機」と「強制労働問題」の2つの課題を抱えています。
まずは崩壊の危機から。
いつ壊れてもおかしくない?
先ほども触れたように、軍艦島の建物群の崩壊具合は、極めて深刻な状態となっています。
例えば今年10月には、台風25号の影響で通路が損壊したため、未だ一般客の上陸が禁止されています(復旧は来年1月下旬が目処とのこと)。
2016年には長崎市が約108億円の搬出を決め、損壊を防止すべく保全活動に取り組み始めたようですが、
全ての高層住宅を修復するにしても最低500億円はかかるとも言われています。
鉄筋コンクリート建築の寿命は40~70年。耐用年数は100~150年前後。
近いうちに軍艦島も見れなくなるということですね…
強制労働の疑惑?
一見輝かしい歴史を辿ったように見える軍艦島ですが、実は負の側面も少なくありません。
例えば、中国人や朝鮮人の死亡が記載された「火葬認可証付申請書」。
働いていたのは日本人だけではないということですね。
しかし、彼らが全員三菱社員というわけでもないらしく、近年では強制連行・強制労働の疑惑が指摘されています。
実際、中国人労働者やその遺族らが2007年に三菱に対して起こした訴訟では、賠償請求自体は却下されたものの、長崎地裁により強制連行・強制労働の不法行為の事実については認定されています。
こちらに関してはまだまだ議論が続いているようなので、真偽のほどはわかりませんが、
少なくとも「負の側面は一切なかった」と主張し、炭鉱町を美化するのは逆に遺産としての価値を弱めることになるのではないでしょうか。
少し前に話題になった韓国映画『軍艦島』( ハングル表記:군함도)も、韓国側の主張を勉強するには良い資料かもしれませんね!
とりあえず、軍艦島に行こう。
まとめ。
とりあえず、軍艦島に行こう。
百聞は一見に如かず。
廃墟の非日常は、廃墟という空間に立ち入ってこそ初めて体感できるものです。
あなたも早速行ってみましょう!
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